日本女子バスケットボールリーグ決勝
エナジーvsシャンソン

2004年3月16日 午後7時 代々木第2体育館にて コートサイド指定席3500円

2003-2004シーズンの最終戦。ファイナル2勝1敗後の第4戦。エナジーvsシャンソン

*< 試合 >*

エナジー

16

21

24

15

76

シャンソン

21

21

22

11

75

これで、エナジーの3勝1敗となり、優勝が決まりました。

とってもいい試合でした。決勝4試合目で、体力的に相当まいっているはずなのに、両チーム死力を尽くして戦い、最後は1点を争う好ゲーム。見応えがありました。2003-2004シーズンの最後を飾るのにふさわしい、日本の女子の最高レベルの試合でした。選手の皆さん、ありがとう。

第1ピリオドから、選手は肩で息をしていて、連戦の疲れがありあり。両チームともあたりの激しいマンツーマン。出だしは、エナジーが6対0にしたが、すぐ逆転され、その後は、終始シャンソンリード。最大7点差までいったが、それ以上は離されない。結果的にこれが、勝因かな。前半終了時の、シャンソンの超ロングシュートが入ってしまって、5点差で終わりました。

後半も、両チームともあたりの激しいマンツーマン。こうなってくると、体力勝負、根性勝負。エナジーは、ここで離されたら苦しくなるぞという所で、ベテラン陣が、確実に決めてきます。その勝負強さには目を見張りました。矢野さんに疲れが見えてきて、特に永田についていて、走りきられる場面が出てきて、交代所かなと思ったら、交代、2分ぐらい休んでました。エナジーは紺野・楠田選手が、6人目7人目の選手として、よくつなぎ、その役目を果たしていたようです。一方のシャンソンの永田・三木・石川選手は、出突っ張りで、だんだん苦しくなって来ました。第3ピリオドで3点差、シャンソンリード。しかし、ここで、3点差になったことで、エナジーの勝利の可能性が増したように感じました。

第4ピリオドは、逆転また逆転のシーソーゲームで、見てる方は、おもしろかったです。シュートが入ると、思わずこちらもガッツポーズが出てしまいました。残り1分で、永田がシュートを決め、シャンソン1点リード。残り40秒で、大山がドリブルからの1対1からフェードアウトのジャンプシュート。高い放物線を描いて、リングの真ん中からシュートイン。その後のシャンソンの攻撃が実らず、エナジーが優勝。

*< エナジーのすばらしさ >*

  1. 根性がある。勝ちたいという気持ちがある。
  2. チームが一丸となっている。
  3. よく走る。疲れているはずなのに、全員が本当によく走る。速攻やアーリーオフェンスで点を取っていたし、必ずしも得点しなくても、走ることで、相手をより疲れさせることができる。
  4. モーションオフェンスのコンセプトがチーム全員、はっきりしている。
  5. オールコートマンツーマンを1試合通せる脚力がある。常に、ドリブラーに対してプレーッシャーをかけ、ボールをもらうおうとする選手に対してはパスチェックを繰り返し行う。1人が抜かれても、素早くヘルプが来て、簡単にはシュートさせない。
  6. ベテラン陣は本当にシュートを落とさない。確実に決めてくる。勝負所でも、どーんと決めて来る。
  7. 途中、矢野さんの何本かの3点シュートは圧巻。かなり疲労があったようで、試合中にだんだんげっそりしていくように見えるほど。だが、要所要所、どーんと決めてくる。矢野さん対永田選手の攻防は、かつての萩原対加藤の攻防の域までに達してきたように思える。
  8. 大山選手も、ドリブルインからのシュートを決して落とさない。最後残り40秒で負けていて、自分が勝負に行く根性。そして、決める力。
  9. 浜口選手は、シャンソンの河選手に何度かシュートカットされているのに、全然ひるまない。シュートカットされた直後の1対1で、必ずやり返して、シュートを決めてくる。外人選手と何度も対戦してきた経験だろうか。シュートフェークからのドリブルインやステップインなどの、潜り込むプレーで、河選手をかわしていた。
  10. そして、若手の活躍。今日は、先ほどのオリンピック出場を決めた対韓国戦で大活躍した立川選手が、ねんざでしょうか、出場してなかったのが、残念だったが、大神選手が大活躍。シャンソン三木選手のマークをものともせず、1対1を果敢にしかけ、ジャンプシュートを決めていた。大神選手対三木選手は、1対1の攻防、ドリブルのボール運びのでの攻防、リバウンド争いなど、熱く戦っていて、おもしろかった。

セットオフェンスでのコンセプトがはっきりしているように思えた。パスを回して、全員で動き回って攻めようという、モーションオフェンスと言っていいのだと思いますが。以下、素晴らしい。

  1. 全員がよく動きまわる。
  2. センターは台形付近中心に動く。ただし、パスの中継に外に出てくる時もある。
  3. 台形内でボールをもらおうとするポジション争いは非常に激しかった。
  4. パスをよく回す。
  5. パスの中継に素早く動いて来る。
  6. まず、センターの浜口さんを使おうとする。
  7. ひとりが持っている時間が少ない。ボールを素早く移動している。
  8. パスである程度、ディフェンスをくずしておいてから、1対1をしかける感じ。
  9. パスミスやキャッチミスが非常に少ない。なかったかなと思うぐらい。
  10. 24秒が迫ってくると、果敢に1対1をしかける。
  11. ボールを持っている人がからむスクリーンプレー、ボールを持たない人同士のスクリーープレーを使う。
  12. あわせのプレーがある。
  13. 時に、ナンバープレー(フォーメーション)も使っているようだった。

*< データから見た試合 >*

*< 総得点 >*

40分戦って、80点弱。1回のオフェンスにかかる時間の平均を15秒と見積もると、1分間で4回の攻撃回数がある。1つのチームでは、1分間に2回攻めるチャンスがある。40分間戦うと、80回の攻撃権がある。それで80点取ったとすれば、2回に1回は2点を取ったことになる。かなり高いオフェンス力である。ちなみに中学生女子だと、30分近く戦って、30点取れれば、一応の攻撃能力があると判断できる。その場合は、4回に1回の割合で、オフェンスが成功し2点取っている勘定になる。

*< 3点シュート >*

エネジーは17本中4本イン、シャンソンは10本中2本イン。試合中は入らないことがよくわかる。ただし、24秒になりそうなので、無理やり打ったシュートが含まれるので、本当のシュートタイミングで打った場合の3点シュートの確率は、もう少し高いと思われる。でも、あんまり入らないものだ。その中で、矢野さんが8本中4本インで、半分決めているのはさすがだ。

*< 2点シュート >*

エナジーは52本中30本イン、シャンソンは57本中30本イン、約50%の確率。試合中は、一流のレベルでもシュート率は50%。

*< フリースロー >*

エナジーは10本中4本イン40%、シャンソンは15本中9本イン60%。これは、低いと言わざるを得ない。コーチはイライラしたことと思われる。ここでも、矢野さんが2本中2本イン、さすが。

*< ディフェンスリバウンド >*

エナジーは24本中、センターの浜口さんは7本だけであって、残りの17本は、他の選手が取っている。シャンソンも27本中、センターの河さんが取ったのは6本。シャンソンのガードの三木選手も7本のディフェンスリバウンド。

ディフェンスリバウンドはセンターだけの責任でなく、みんなで取るものだということがわかる。ディフェンスリバウンドをセンターにまかしてはいけない。ガードもリバウンドの練習をしなくてはいけない。試合中も、全員が自分が取るのだという意識を持つべき。

*< オフェンスリバウンド >*

エナジーの浜口選手が6本、シャンソンの永田選手が4本は、さすが。オフェンスリバウンドを取ると言うことは、シュートミスがチャラになるわけだから、その効果は大きい。

*< 応援団にお願い >*

繰り返し、書いています。今日は、割合、機械音の応援が小さかったので、ベンチからの声などが聞こえました。でもまだ、試合中の、ドリブルやパスやシュートの音が聞こえません。選手同士の声も聞こえません。靴のキュッキュッという音も聞こえません。試合をしている時は、機械音の応援はやめて下さい。タイムアウトやハーフタイムは大いに盛り上がりましょう。

フリースロー時のやじは日本の風土にあわないと思います。イギリス生まれのラグビーでは、相手チームのキックでも、しーんとしてます。アマチュアスポーツなのですから、ノーサイドの精神で、味方も相手もいいプレーが出てくるよう、応援すべきだと思います。

*< 協会にお願い >*

今回、オリンピック出場の垂れ幕等があり、いいなと思いました。やはり、そういう所から、バスケ界を盛り上げていくべきだと思います。

今回のこの試合は、日本女子の最高峰のバスケを展開しているのに、マスコミの取り上げ方は、どうなのでしょう。バスケ協会として、売り込みが十分なされているのでしょうか。

いろいろなイベントはけっこうですが、試合3分前になっても、まだ音楽をかけたりしているのは、どうでしょう。バスケをやった事が人が運営しているとしか思えません。試合3分前になり、両チームのアップが終わり、ベンチにもどり、静かな時間が流れる、これが、試合前の緊張感を盛り上げ、なかなかいい、味のある瞬間ではないでしょうか。バスケ経験者なら、この3分間の静けさがたまらない魅力であることを知っているはずです。

今回も私は松葉杖でした。スタッフによる暖かい声がけは、いっさいなし。全然不親切。マニュアルどうりにしか動けないスタッフばかりなのでしょうか。バスケというのは、自分で仕事を見つけて、自分で動くスポーツでしょう。指示された通りに動けばいいというスポーツではないはずです。私は、そのうち松葉杖は取れます。でも、ずっとハンディキャップを背負った人もいることでしょう。そういう人たちに、もっと暖かい扱いをしてあげられないでしょうか。

*< 審判の判定について >*

選手やベンチが納得のいかない笛が多いように感じました。まあどう吹いても、両チームの選手やベンチが満足する笛なんてないとは思いますが。触れ合いがあったとき、オフェンスのファール、ディフェンスのファール、どちらでもない、の、3種類を選択するうえで、適当でないケースがやや多くあったように感じました。

今日は、3人審判制で、審判の責任分担がはっきりせず、とまどいがあったように思いました。

審判が1回足でボールを拾いました。生徒がバスケボールを足で扱うと、私は怒鳴ります。